天狗に愛されて


???side


ピクッ…


「ほう…結界に反応したか。」


時が来た…待ちわびたぞ。


「誘え、かの者を引き入れたまえ。」


呪文を唱えると
対象者が敷地内に入った事が分かった。


「……くくく…決行は間近。
お前と相対するのは何度目だろうな。」


屋敷の奥に通じる通路を進み、
目標の前に立つ。


バチッ!


手を翳(かざ)すだけで弾かれた。


「拒むか…私を。」


忌々しい。
何故、お前が転生するのだ。


「…今となっては些細な事。
魂が消え失せるまで屈する事は無い。」


背を向け、元来た道を戻る。

屋敷の奥に隠されていたのは、
氷漬けにされた少女だった。


???sideEND


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