天狗に愛されて


『離して。

依頼はちゃんと果たしたんだから
私に構う必要ないでしょ!?』


バシッ!


痛い位に掴まれた塞の腕を払った。


「譲葉ッ!!」


そのまま背を向けて分家の屋敷に向かう。


ザワザワ…


何これ…何これ!
なんでこんな黒い感情が騒ぐの?


『…ハァ……ハァ…怖いッ!』


バンッ!


『蛇太郎!?』


部屋に居る蛇太郎の名を叫ぶ。

でも、姿も気配もどこにも無かった。


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