天狗に愛されて
『蛇太郎!ねぇ!!』
シーン…
『隠れてるの?どこに居るの!?』
幾ら問い掛けても応答がない。
この部屋には蛇太郎が居る。
それが当たり前になってた…。
" だから!お菓子を食い散らかさないで!!"
" オイラは君みたいに手が無いから
無理なんだヨ〜。"
" 祓い屋に妖が居る事が先ずおかしいの!
とっとと出てけぇー!!"
あんなに邪険にしてたのに蛇太郎は
〈ごめんヨ〜〉っていつも笑ってた。
そうする内に居るのが当たり前になって…。
『一人に…しないでよ……。』
ずっと、一人だと思ってたのに。
失ってから気付くなんて私って馬鹿だ。