天狗に愛されて


どうやらこの声は私だけに聞こえてるみたい。


『……気が向かないけど、気になる。』


集中すれば分かりそうだから目を瞑(つむ)る。


こっち…こっちよ……


『この屋敷内から…?』


自分の部屋を出て、
感じる方向に足を進める。


ピタッ!


そして…足を止めた。


『本家の方からじゃないの。』


これは…流石に行きたくないんですけど?


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