天狗に愛されて


「かあさま!かあさま!」


「ふふ、なぁに?」


周りの視線や嫌な言葉には目もくれず、
楽しそうに笑う二人。


でも、幼い女の子でもこの屋敷内に
流れる陰湿な空気に気付いている。


「かあさま…こわい……。」


彼女が不安になる度、私も不安になる。


「大丈夫よ。
母様が守っていますから。」


「はい!」


彼女が安心すると、私も安心した。


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