天狗に愛されて


『母様の言ってた通り。
アンタらはあの時から何も変わってない!

邪な妖ならまだしも、
そうでない妖まで祓うなんて…。

「外道外道」って言ってるけど
アンタらの方がよっぽど外道じゃない!!』


本来なら私は祓う側の人間。
でも、今は祓われる側の妖…。


" イヤダ!消えるノイヤダァ!!"


小さい妖を祓おうとした時に向けられた
人間に対する怯え。

人が恐怖を感じた時と同じ感情。

それを見て祓おうなんて気持ちは
私の中から完全に消えてしまっていた。


< 211 / 316 >

この作品をシェア

pagetop