天狗に愛されて


『アンタらの思い通りにならない!』


グイッ!


痛っ!!


妖に変化したせいで伸びた髪を強く掴まれる。


「卑(いや)しい妖の身で
人間に楯突くつもりですか。」


矢を射った時と同じ冷たい瞳。


「さぁ…貴方を祓うのは私ではありません。
最高の死に場所を用意していますから。」


動かない身体を引き摺られ、
私はその死に場所に連れて行かれた。


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