天狗に愛されて
塞side
「さぁ、若…準備が整いました。」
いきなり着替えさせられ、
連れて来られたのは裏庭。
周りに多くの松明(たいまつ)が焚かれ、
異様な空気が流れる。
一体…何があったってんだ。
『離して!!』
「おぉ、塞…準備が整った様だな。」
当主が引き摺るのは、
『…塞……。』
「その声…お前、譲葉か?」
俺が知ってる譲葉じゃねぇのに、
声でそうだと感じた。
「さぁ…塞。
この妖をお前の手で祓うのだ。」
「え………。」
当主の言葉に目の前が真っ暗になった。
塞sideEND