天狗に愛されて
母様、どうして私を産んだの?
そうしなければこんな思いもせずに済んだのに。
母様が死ぬ事なんかなかったのに…。
「神木の名において外法のモノを封ずる。」
この世界のどこにも私の味方なんて居ない。
抵抗する事を諦め、
目を閉じて塞の呪文を静かに聞く。
「…ッ……いずれ災いとなるモノ…。」
最後の呪文に差し掛かった時、
ザシュッ!
「ぐあ!?」
〈カー!〉
塞の腕に羽が突き刺さり座り込んだ。
さっきの鳴き声は…カー吉……?