天狗に愛されて


〈アンタに教える名はないネ。

あぁ…最後に教えてやるけど、
オレはアンタを小さい時から見てた。〉


譲葉と一緒に。


「は…?」


〈譲葉と交わした言葉。
アンタは覚えてるかい?

覚えていたらこうはならず、
違う結末になっていたかもネ。〉


それでもあの当主サマが
上手く動いていただろーけど。


バサッ!


痛む翼を羽ばたかせ、上昇する。


「譲葉をどうするつもりだ!?」


〈ここは『神隠しの森』
天狗が娘を攫う理由は一つだろ?

アンタはこれから
どう動くべきか考えなヨ。〉


最後に笑ってその場から飛び去った。


天狗sideEND


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