天狗に愛されて
北山
私の愛しい子…。
『この声は母様?』
頭に響く優しい声。
夢なのか現実なのかハッキリとしない状態で
声に応える。
お前には辛い思いをさせてばかり、
母を恨みますか…?
『いいえ、私は母様が大好きです。
確かに辛くて苦しかったけど、
それだけじゃなかったから。』
では、戻りなさい。
貴女の帰りを待つ者が大勢居るのですから。
最後に見えたのは懐かしい母様と
私と同じ金の髪と瞳をした男の人だった。
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北山