天狗に愛されて


〈傷もすっかり治ったみたいですね!
もう、最初に見た時は助からないかと…。〉


『えっと…いまいち状況が理解出来てないの。
私はどうしてここに?』


目が覚めたら水中で、
いきなり知らない天狗に心配されるなんて。


〈譲葉様は神水の泉に身を投げた所を
僕のお師匠様に助けられたのです。〉


お師匠様…?


" 譲葉ッ!!"


混乱している頭で考えると、
あの泉に天狗が来た事を思い出した。


『もしかして、天狗が?
私を助ける為に自分も神水に触れたの!?』


神水は全ての妖にとって猛毒、
それが例え神格化していても。


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