天狗に愛されて


『も、もう頭を上げてよ。
私がどんな立場に居るから分かったから。』


私は神木家に居たけど皆とは違って
人間より妖の方が偉い…じゃないけど。

実際にこの地を守っているのは妖だから
凄いなって尊敬する存在みたいな感じだった。


反対に祓い屋の殆どは「人間が格上だ!」って
言い張る人達が多い。


つまり、何が言いたいのかって言われると、
その尊敬する妖に頭を下げられる事態に
混乱するんですよ!


『あ、小天狗ちゃんがしてる
そのペンダントって何か特別なのかな!?』


話を逸らしたくていきなり質問を投げた。


「これ…ですか?
これは、僕の『切羽』です。

天狗は自分が未熟だった時の
黒い羽根を一つだけ取って
一人前になったら羽根を番(つがい)に送る。

そんな儀式があるんです。」


へぇ…なんか意外とロマンチストなのね。


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