天狗に愛されて
天狗side
〈ぐっ…こりゃ、本気でヤバいなぁ〜。〉
霊山の気でなんとかなると思ったけど、
予想以上に神水に蝕まれていた。
こんな姿なんか見せたら泣くだろな〜…。
〈ハハ…このオレがまさか贄になるなんて
思わなかったヨ。〉
山の天辺にある一本の桃の木。
この霊山を支える神木の様な存在であり、
封印の要となっている木だ。
〈オレが浄化して消えたら封印が解ける。
南も抑える力は残っちゃいねぇーからな…。
サヨナラだ、譲葉…。〉
ザワッ!
木に触れると蔦(つた)がオレを包み込んだ。
天狗sideEND