天狗に愛されて
小天狗side
〈お師匠様ッ!!〉
蔦に覆われ、身体が木と同化しようとしている。
〈…よぉ、チビ助……。〉
〈こんな時に何を笑ってるんですか!
なんで、こんな!!〉
自分を贄にするなんて!
〈お前も分かってた筈。
オレが消えれば封印が解け、
この世が妖に支配される事は……。〉
僕にお師匠様みたいな強い力があれば
北の守護を引き継げたのに!
無力な自分を責める。
〈チビ助…譲葉を守れ。
これが、オレからの最後の務めダ。〉
目の前には僕を拾ってくれた命の恩人。
そして、多くを教えてくれた師匠。
それなのに僕は頷く事しか出来ないなんて。
小天狗sideEND