天狗に愛されて
〈譲葉様…。〉
『どうして…私だけが生き延びて……。』
ドンッ!!
天狗が飲み込まれた場所を何度も叩くけど、
ビクともしない。
" ……愛してる…。"
『なんで…ッ……!』
愛してるなら側に居なさいよ。
それなら、私の前から勝手に消えないで。
ポタ…
『アンタのせいで泣いてんのよ?
いつもみたいにからかいなさいよッ!!』
お願いだから応えて。
ポウ…
〈譲葉様!〉
小天狗ちゃんの呼び掛けで私の身体が
緋い光に包まれている事に気が付いた。