天狗に愛されて
『ありがとう!』
天狗の手から『切羽』を受け取る私。
でも、受け取った瞬間に
『切羽』は私の中に消えてしまった。
『あ…れ?
天狗さん…眠くなってきちゃった……。』
〈少し眠るだけだおやすみ…譲葉。〉
ザァ!
わ、何!?
ここでまた別の記憶が流れ込んで来た。
『……ヒック…うぅ…。』
また神水の泉の所で泣く私。
〈また泣いてんのカイ?〉
『……誰…?』
え…?
私は、天狗を忘れてしまっていた。