天狗に愛されて


普通の人間になりたい。

そう思いながら生きてきた。

妖が視えなくなれば
周りから奇異な目で見られなくなる。


『ずっと、そう願ってた…。』


きっと、天狗もそう思って
私に『切羽』をくれたんだと思う。


〈譲葉様…?〉


『小天狗ちゃん、
天狗を取り戻す為に力を貸してくれない?』


でも、それは…『思い出』を忘れた私の願い。


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