天狗に愛されて
木に着地し、譲葉を降ろして腰掛ける。
『わぁ…綺麗。』
〈これで成人したネ〜。〉
『なんか、変な感じ。
人間は二十歳が成人なのにね?
でも、今までの私は
この朝日を見ないで死んでたんだよね…。』
妖の成人は十八。
その歳を迎える度にアイツから阻まれてきた。
〈アイツは自ら理(ことわり)を乱した。
いずれ人間は生まれ変わるけど、
これまでの事が精算されて
そう簡単には戻って来られない。〉
問題は譲葉のこれからダ。