天狗に愛されて


真っ赤だったのに真剣になる。


ドキッ…


その眼差しに心臓が高鳴る。


〈譲葉…。〉


ねぇ、光陽。
私の願いはね?


〈…愛してる……。〉


普通の人間じゃなくて、
光陽とずっと一緒に居れますようにって
願ってたんだよ?


『ふふ、知ってる♪』


朝日に照らされた二人の影が重なる。

もう、人間には戻れないけれど
私はちっとも後悔しない。

この手が温もりが包み込んでくれる。


だから…私は生きていく。

天狗に愛されて。

ううん、光陽に愛されて…。


THE END


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