天狗に愛されて


「離せよ!」

「アンタ…噂通りの変人!!」


『はいはい、それより下を見てよ。』


私が言った通りに視線を下へと彷徨わせる。


『ねぇ、何が視える?』


「ヒィッ!な、何コイツら!!」

「イヤァー!!」


わー♪
普段、視えてないから新鮮な反応ですね!!


〈おい、人間!視えんのか!?〉

〈甘いの!甘いのくれ!!〉


甘いのはお菓子の事ね。
結界張られてたからあげられなかったし。


バタッ!


『ありゃ、気絶しちゃったよ。』


たかが低級の妖を視た位で大袈裟じゃない?


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