天狗に愛されて


『あー…止まんないや。』


頬を伝う涙は地面に吸い込まれる。


"また一人で呟いてる。"

"イカれてる。"

"変人って本当だったんだ。"


違う…私がオカシイんじゃない。

妖が視えるのも、
神木家の人達に受け入れられないのも、

私のせいじゃない。


周りと同じモノを視て、
共感出来ない事で
自分を痛ましいなんて思わない。

でも、寂しい…苦しい。


『悲しい…。』


私は皆と同じ感情を共有したいだけなのに。


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