天狗に愛されて
天狗
〈まぁ〜た泣いて、なんかあったのかい?〉
心配そうにしてるフリしたって駄目。
顔がニヤついてますから!
『……いつもの悩み。』
〈人間は小さい事で悩むネ〜?〉
『アンタはいっっつもお気楽デスヨネー。』
小さい時、
私が泣きながらここで蹲(うずくま)っていたら
この天狗が声を掛けて来た。
それで色々とコイツに愚痴ったっけ…。
〈なきむしちゃん?〉
『だから、私の名前は譲葉だってば!!』
いつの間に翼を引っ込めたのか
私よりちょっと高い目線で顔を覗いてた。