天狗に愛されて
〈考えてみればさ?
むかーしは誰だって視えてたんだよ??〉
『いや…そんなの知らないし。』
昔話されたって…。
〈今となってはその方が少なくなった。
それは変えられないけど、
俺からしたら視えない人間の方が変。〉
『変って…。』
確かにそんな文献があった。
神木家以外にも力を持つ祓い屋も
今となっては血も途絶え、
視えない妖達に一生を怯えた生活をしたとか。
〈ほら、もう帰んな。〉
『…なんか今日の天狗優しい。
気持ち悪いぃーーー!!!!!!!』
〈ヒッデぇー…。〉
『いつものお返し!じゃあね!!!』
凹んでる天狗を笑い、
私は来た道を走って戻った。