天狗に愛されて


『……ハァ…あ、はいこれ。』


蛇太郎に買って来たポテチを開けてあげた。


〈いつもありがとナ♪〉


パリパリと軽快な音をたてながら
食べる蛇神をジーっと視る。


〈そんなに視て、どうしたんダイ?〉


『…んー?視えるのが普通なのかなぁって。』


〈??〉


『天狗にね?

〈オレからしたら視えない人間の方が変〉って
言ってたから蛇太郎も同意見…?』


〈そうダナー…。
確かにオイラ達蛇神も
大昔は祀られ神として人間と共に生きて来タ。

それが今では祠は勿論、
住家さえ追われるようになっちまっタ。〉


それは神格化する前に祓い人が祓うから。


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