天狗に愛されて


「昨日、なんで来なかった。」


『は?』


「学校に来なかっただろ。」


あ、なーんだそっちか!


『私が来ようが来まいが関係ないよね。』


〈酷い言いようダナ。
次期ご当主サマは君を心配してるんだヨ。〉


そんなの嬉しくないし。


「…ちゃんと来いよ。
留年しても当主はなんもしねぇぞ。」


『へぇ…何それ自慢?

俺は本家だから大丈夫だけどお前は違う。
そう言いたい訳?』


いちいち癇に障る。

塞と話していると黒い感情が出て来て、
口を封じたくなるんだよね。


< 58 / 316 >

この作品をシェア

pagetop