天狗に愛されて
「へび…がみ?譲葉はどこだ!?」
え?私が見えてない…??
見ると、
私の腕に姿消しの呪符が付けられていた。
〈ユズリハの心配はイイ。
君は周りの人間の心配をしたらどうダイ…?〉
「譲葉は…無事なんだな?」
〈君よりはネ。
オイラのおかげで軽傷で済んだんダ。〉
確かに怪我はしているけど、
そこ迄重傷って程じゃない。
「…礼は言わない。」
〈そうカイ。それじゃあ、後は頼んダヨ。〉
蛇太郎がアイコンタクトで訴え、
私は静かに教室を出た。