天狗に愛されて
『どうしよう…どうしようッ!!』
学校から飛び出した私は屋敷に戻り、
部屋に閉じ篭った。
〈ユズリハ、大丈夫ダヨ。
オイラがあの場に居た人間を守ったからサ。
それと次期ご当主サマの結界も役に立っタ。〉
『でも、私…消えちゃえって思ったの!!』
まさかあんな事になるなんて。
〈偶然サ。〉
『偶然で教室のガラスが全部割れる訳ない!』
あれは私がした。
傷付く皆を見て、
怖くなった自分と嘲笑う自分が居た。