天狗に愛されて
〈傷も浅かったから大丈夫ダヨ。
君は騒ぎが鎮まる迄ここに居た方がイイ。
後は次期ご当主サマがなんとかしてくれル。〉
『塞…大丈夫かな……?』
ガラスで切られて血が出てた。
〈それより怪我してないカイ?〉
『私は大丈夫…。
これは鎌鼬につけられた傷…あ!』
〈どうしたんダ?〉
『あの傷なら!』
〈オーイ!!〉
バタン!!
〈…置いて行かれちまったタ……。〉
私は屋敷を飛び出し、森へ急いだ。