天狗に愛されて
休校生活
『ハァ…ハァッ!!』
逃げなきゃ…。
遠くに、捕まらないように。
あれ?何から??
分からない…私は何から逃げてるの?
暗い、漆黒の空間を走り続ける。
何から逃げてるのか分からないのに
立ち止まってはいけない。
それだけは分かる。
ズルッ…
『ヒッ!?』
後ろから伸びる無数の手。
その手は私を飲み込もうと引っ張る。
あ……な…む……めよ…。
ブツブツと呟く複数の人の声。
聞き取る事に夢中になった私は、
そのまま闇に飲み込まれた。