天狗に愛されて
蛇太郎side
〈…オイラの見張りより、
追った方が良いんじゃないのカイ?〉
窓があった所まで行き、
一羽のカラスと対峙する。
〈これは驚きました…気付いていたのですか?〉
〈あれだけ視線を感じ、
いつも同じ所に止まっていたらネ。〉
初めは気のせいだと思っていたが、
それが毎日続けば気付くサ。
〈君はさっきの大天狗の使いなんダロ?
カラスは天狗に従うと聞いた事があるからネ。〉
〈流石は蛇神、良くご存知でいらっしゃる。〉
〈ユズリハとオイラを監視して、
あの大天狗は何を考えているんダ?〉
それに、あの大天狗…。
〈時期に分かりますよ。〉
〈まさか…喰うつもりじゃないよナ!〉
〈さぁ…どうでしょうね。〉
バサッ…
オイラの問いには答えず、
カラスは羽ばたいて行った。
蛇太郎sideEND