月曜日の魔法使い
刻の大きさを思う
彼が死んで
もう一か月がたとうとしていた。
まだ世間は彼の死を
理解できていない。
きっと
理解できるものは生きている限り
いないような気がする。
私もわかっているような口ぶりだが
彼の死を
本当の意味で一番わかっていないのは
私だ。
いや、
理解したくないのだ。
理由は
彼が私の初恋だからというのが
一番だろう。
彼の名前を知る前、顔を知る前、
すでに私は彼を好きになっていたのだと思う。
そして
顔を知って、名前を知って、声を知って…