月曜日の魔法使い
月曜日、
いつもより30分は早くきた。
だけど
既に新しい花が置かれ、
飼育小屋もきれいになっていた。
昨日まであった落書きが
消えていた。
理科室の机に彫ってある文字が
埋められていた。
全ての水道の蛇口の下に
キレイな石鹸が置かれている。
…誰がやってくれたのだろう。
私はなぜか、
これだけのことをしているのに
やっているのは一人だと初めから思っていた。
私は次の月曜日、
もう30分早く来ることを決心した。
…でも私が来たときには
いつも何かが変わっていて花が置かれている。
結局、
二年生のうちにその誰かに会うことは
できなかった。