浅葱の桜



死にたくなんてない。こんな、飽きられた玩具みたいに捨てられたく、ない。


でもどれだけ願ってもこんな私の事を助けてくれる人なんていない。


この屋敷にいた人たちは皆私の死を望んでいるし、私のことを心配してくれる人は死んでしまっている。


しかも私が動けるのは続き間になっている部屋の中だけに限られてるんだ。


ーーーーもう、遅い。


全てが遅い。


手先から感覚が抜けていって、瞼が重い。


これを閉じてしまったら2度と目を覚ませないことは分かってるのに抗う力が残っていなかった。


このまま目を閉じれば、痛みも感じないのか。


弱音が頭を掠め、意識が切れかかったその時だった。



「ーーーー!」



幻だと思った。きっと死ぬ前に見ると言われる走馬灯だ。


それでも信じようとする心には逆らえない。


まさか。本当に来てくれたというの?



「ーーーー美櫻! どこに居る!」



沖田さんーーーー!?


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