浅葱の桜



「過去のことを後悔したって意味なんてない。だいじなのは今なんじゃないの」



大事なのは、今?


その言葉の意味を理解する前に沖田さんは体を離す。


待ってと追いかけようとして羽織ったままだった着物が引っかかり転けた。



「つぅ」



滲んだ視界の向こうには陽炎揺らめく二人の姿があった。


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