浅葱の桜
目を丸くした土方さん。
けどその直後、土方さんの顔からは考えられないくらいの大爆笑をしだした。
「な、何でそんなに笑うんですかっ」
こっちは悩んでることがあるかと言われたから素直に答えたのに!
「わ、悪りぃ。……やっぱあいつは変わっちゃいねぇか」
目尻に涙を溜めた土方さんは「腹いてぇ」と文句を言いながらその涙を拭った。
自業自得です。人の真面目な質問を笑うから。
「聞きてぇか? その理由が知りたいならあいつのちと前の昔話を知ることになるが」
「昔話?」
「そうだ、あれはいつだったかなぁ。江戸から上洛してくる前、まだ試衛館でドンチャンやってた時期だから……五年もないくらいか」
くっくと喉を鳴らしながら土方さんはその、沖田さんの昔話のようなものをし始める。
……でも、それがどう私が嫌われているかどうかにつながるのだろうか?
わからないなぁ。