浅葱の桜



––––命令はただ一つ。



薪炭商を営む枡屋喜右衛門に関わる噂を真偽を確かめる。


枡屋が尊皇攘夷の志士であり、武器なのどの準備をしているという噂。


山崎さんたちではつかめなかった証拠を私が探し出す。


書状でもなんでもいい。一つでも見つかればそれが私たちの免罪符になるから。


そのため、私は枡屋に近づいて、その証拠を探し出す。


皆のためにも私は失敗できなかった。


私はぎゅっと袂を握る。


皆さんのように私は命がけで戦うことはできない。


けど、その少しでも助けになるのなら。



「行くよ。『佐久』」



男としての私の名前をつぶやく。



これが私の戦い。


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