ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
【夏希side】

俺は陽花の家にいる。

懐かしい……。ただそれだけ。

俺達は幼馴染みだ。昔っから一緒にいた。でも俺は監視役。だから陽花も桜花の事を隠していた。

俺もわかっていたが報告はしなかった。

陽花の傷付くのは見たくない。でも、恋愛感情を持つ事を許されない。

俺は陽花よりも格下。身分でも下。俺と釣り合うはずがない。いや、釣り合う事が許されない。

浅井財閥の中では。


『……。』

陽花「夏希ー?早く行くよ?」

『あぁ。分かってる。』


俺は何を考えている?まるで陽花を好きって言っているようなもんじゃないか。

そんな筈ない。許される筈が無いのに……。

本当に俺、陽花が……す…き…?


『('ω' )…(*'ω' *)ポッ』


そんな馬鹿な!あるはずが無い!


(ゴンッ!!)

陽花「夏希!?どうしたの?」

『んだよ。』

陽花「なんで壁に頭打ち付けてるの?」

『楽しいぞ。お前もやるか?』

陽花「は?何言ってるの?」

『はぁー。おら、仕事仕事。』


部屋に着くと大量に積まれたプリントの束がそこらじゅうに置いてある。


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