ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
【龍side】


電話の相手は親父。

なんだ?またお見合いの話か?


『もしもし。』

親父「おー、龍か。」

『親父からかけてきたんだろーが。』

親父「あーそうだった。」

『で?何?用件は。』

親父「そーそー。今度、パーティーに呼ばれたから。」

『出ろと?』

親父「あぁ。当たり前だ。お前の名前も招待状にのってる。」


出たくない。女がいる。


親父「だから出なさい。」

『出るかわりに1つだけお願いがある。』

親父「本当か!?出てくれるのか?」

『あぁ。だからお願いを聞いて。』

親父「あぁ。いいだろう。それで願いって?」

『友達を連れてっていいか?』

親父「……は!?」

『ちゃんと大人しくさせるから。』

親父「わかった。それが絶対条件だからな!」

『あぁ。じゃ切る。』

親父「どこのパーティーか聞かないのか?」

『どこだっていい。』

親父「浅井さん所だ。」

『あっそ……えぇ!?』

親父「婚約パーティーだ。」

『こ、こ、婚約!?』

親父「先に越されてしまったな。目を付けてたんだか。」

『……。』

親父「そういう事だから。」


ブツ。


『お、おい!!』


切りやがった。

婚約?

頭が真っ白になる。



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