ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
【葵side】

良かった。いつもの陽花だった。

いつもの声。いつもの明るさ。


雷「おい。」

陽花「はぁ。わかったわよ。」



そのまま何事もなくパーティーが終わった。1度も会うことなく帰って来てしまった。


いったん頭を整理する。



陽花はお嬢様。
今日婚約パーティーをした。
婚約者は男嫌いの原因だった。



私はなにも知らない。聞いてない。
なんで相談してくれなかったの?

1人で抱え込むのは陽花の癖だよ。


陽花の父には何かあると思ってた。

でも……こんな事って。



───『さようなら。』



お願い……行かないで!

私を!

1人に……しないでぇえ!!!!!




『はぁ、はぁ、はぁ!』



気づけば朝。



『私、うなされてた?』



体は汗でべっとり。勝手に涙が出てきて止まらない。



『風呂、入ろ。』


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