ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
……ツ
カツ、カツ、カツ。
真夜中の道にヒールの音が鳴り響く。
そこに現れた一つの人影。
魔莉「もう……よろしいのですか?」
『えぇ。もう……いいの。もぅ。』
魔莉「でもまた『もう戻るつもりないから。』そうですか……。」
『色々迷惑をかけてごめんね。』
魔莉「お嬢様のためですから。」
お父様「やっと来たか。」
『迷惑かけてごめんなさい。』
お父様「いいんだいいんだ。後少しだからな。」
後少し……。
魔莉「お嬢様……」
『シッ!……部屋に戻ってますゎ。』
お父様「あぁ。そうしてくれ。」
新しい家の香り……。
そう、私は引っ越した。森の別荘みたいな所。近くに海があって海を一望できる崖もある。
あとは……
なんでお父様がいるかって?お金の力だよね。ワイロってやつ。でも指名手配になってるのをこの前見た。
だからこそこんな山深くで暮らすことになったのよね。
勿論、雷達もいるわ。でもこのことは雷達は知らない。