ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
感じた事のあるこの痛み。


ドクンッ


──『お、お父さん?』

──「ごめんな。……葵。」

──『い、いやぁぁああ!!お父さん!死なな
いでぇえ!!』

──「隠れろ。達也達連れて逃げろ。」


達也達もこの現場を目撃した。私達は物陰に隠れた。

その途端に男達がぞろぞろと入ってくる。


──達也「泣くな。葵。」


物音1つも立てては行けない状態。そこに悪魔は囁いた《残念だ。》と。


ガラッ


──陽花「皆……?」

──「小娘がまだ居たぞ!!」

──「取り敢えず捕まえろ!!」

──陽花「え?きゃぁぁあああ!」

──葵「よう……」

──達也「だめだっ!!行ったらだめだよ。」


この感覚。お父さんの死。まさにこれに似ている。

ふと目を開けた先に。

見えた。遠くに居る奴ら。あん時の……


ドクンッッ


今までに無いくらいに大きく心が疼いた。


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