その結婚、ちょっと待った!
「言っとくけど俺、お前を逃がすつもりないから!」
「はっ?」
何を言い出すかと思えば突然そんな事を言われた。
「はっ?じゃねぇし!俺はお前を離すつもりはないし、他の男に余所見しないように俺だけ見てろよ馬鹿!」
「ば、馬鹿!?」
最後の馬鹿は余計だが、離すつもりはないならとか言われると嬉しいものだ。
「元彼だろうが幼馴染だろうが桃華に近づく奴は気に入らねぇ!」
「元彼はともかく幼馴染は関係ないかと?
弟みたいなもんだし、二年ぶりくらいに会ったから少し懐かしくて話しちゃったけどさ。」
「弟みたいでも幼馴染で男なんだし俺からしたら敵だ!」
て、敵?
「とにかく桃華は黙って俺について来い!」
「は、はぁ…」
もう私は大和に何も言わないことにした。
これ以上言ったって無駄だからだ。
それから大和は健太がお酒を何回か持って来た時に凄い睨み、それをみた健太は少し怯えていた。
きっと健太も大和が嫉妬しているんだと気づいたのか、私達のテーブルにお酒や食べ物は持ってこなかった。
飲み過ぎた大和は居酒屋を出るとフラついていて、タクシーに乗ってマンションに着き、どうにか支えながら部屋まで着いた。
中に入り大和をベッドに寝かせると、寝言で"桃華は俺のだ!誰にも渡さねぇ"と言った。
そんな大和の頭を優しくなで、私も大和耳元で囁いた。
「私も大和が好きだよ!」
そう言って大和の頬にキスをした。
その後、私はシャワーを浴びて大和の寝ている隣に寝ると、そのまま眠りに就いた。