その結婚、ちょっと待った!
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今日は社員旅行だ。
真尋と買い出しをし、会社の冷蔵庫に冷やしていたジュースやお酒をクーラーボックスに氷と一緒に入れた。
朝に会社にきてこの作業は面倒くさい。
大和とは会社で会うが目を合せる事はない。
最近は社内にいる時間も少ないし私を避けてるんだろう。
別れたとは言ってもやっぱり胸が痛むのはまだ大和を好きなんだと思う。
強がって、意地張って真尋に後悔はしてないと言ったが、嫌いで別れた訳じゃないからまだ好きな気持は残ってる…。
今日だって大和が着てるか姿を探したくらいだ。
皆でバスに乗り込むと、私達は席に座った。
社長がバスで挨拶をし終えると、いきなり大和が話したいことがあると言った。
皆、大和の方を見て大和の話を聞いた。
「私事ですが、結婚する事になりました。
相手は同じ会社で働いてる…」
そう言って一瞬、私の方を見て目が合った。
だが目を逸し次に言った言葉に胸が締め付けられた。
「楠 真尋です…二ヶ月後に急遽ですが式を挙げる事になりましたので皆さん、出席の方をよろしくお願いします。」
大和がそう言うと皆は拍手をした。
隣に座っていた真尋が呆然としている私に言った。
「実は一昨日、大和と一緒に飲みに行ったの。飲み過ぎた流れで体を重ねた。
だけど大和とちゃんと話してみると考え方も一緒だし、私も大和もお互いを知ってるし結婚しようかって事になったの。
桃華も後悔はしてないって言ってたし祝福してくれるよね?
結婚式は必ず出席してね?」
「え、うん…」
そう言うのが精一杯だった。
別れてるから大和が誰と結婚をしようが構わない。
でも相手が真尋だなんて信じられない。
お互いがそれでいいと納得したかもしれないけど何だか胸が苦しくて涙がでそうになった。