その結婚、ちょっと待った!
唇が離れた瞬間だった。
「真尋っ!」
声がする方を見ると何とそこにはタキシード姿の大樹の姿があり、走って真尋の側に行くと真尋に熱いキスをした。
何が何だか分からないまま皆の盛大な拍手にただ私一人がポカーンとしていた。
取り残された私と大和に真尋と大樹、皆は先に外に出て行った。
「何をボケッとしてんだよ!お前も行くぞ桃華!」
そう言って大和は微笑んで言った。
「私達も一緒に行こ!」
何故か大樹の腕に真尋は腕を絡ませ、別れた筈の二人は前みたいに戻っていた。
訳の分からないまま私は大和に手を引かれ、外に出ると皆に祝福をされた。
そして目を疑ったのは、私の家族に親戚、学生時代の友達までが居て皆がおめでとうと言っていた。
ど、どうなってるの?
そして私は何故か式場の人に釣れられて衣装を着せられた。
「サイズはピッタリですか?」
「はい…」
髪の毛もアレンジされ、私は披露宴会場の扉の前に立たされた。
そこにはお父さんが居て私のウェディングドレス姿を見て目を潤ませていた。
反対側には真尋と大樹が立っていて、扉が開き、私はお父さんと腕を組んで歩き、真尋達も反対側の扉から入場した。
皆が写真を取り、見ると会場はかなり広くて私はまだ訳がわからないままお父さんと一緒に大和の所に向かった。
大和の所に着くとお父さんは大和に言った。
「娘を宜しくお願いします!」
「はい!」
私と大和は椅子に座り、私は大和にどうなってるの?と小声で言った。