夢の勇者と3つの世界
俺はあまり理解できなかったが、とりあえず訊ねた。

「その言い伝えについてもっと詳しく知らないか!？」

(たぶんその勇者は俺と同じ境遇の身だったのだろう。ならば元の世界への帰り方もわかるかもしれない....。)

《確か城のなかのどこかにその言い伝えの物語についてもっと詳しく書いてある本があるはずだ....探しておこう。》

「ああ..ぜひ頼む」

俺は言うと、ふと思うことがあった。

(そういえば勇者が現れるときはその強大なエパを使う男の封印がとけたときとさっき言っていたな..ということは今この世界は深刻な状況なのではないか..もしそうならばこの王国の民衆があそこまで衰えているのも繋がってくる。)

俺は恐る恐る国王に聞いた。

「今この世界はどういう状況なんだ？」

国王は深刻な顔をして答えた

《君も予想はしているだろうが、その男の封印がとけてしまったのだ....その男の名は
【ソリティア】という。今その男は封印をした少年を探して世界中の王国を破壊してまわっているという。ソリティアの邪悪なエパによって草木は育たず、動物は狂暴になり、そのせいで食料は減り、世界中の王国で飢餓も進んでいる。この王国も見てもらってわかっているであろう。》

(状況はわかったが、俺が本当に勇者なのだろうか、そして俺なんかがこの世界を救えるのだろうか....)

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