ふたりの薗子
電話が着信する。
メロディは、
Robert Schumannの
「トロイメライ」だ。
これも、僕の設定じゃあない。


「もしもし、あたし。」

僕は、驚いた。

「榊さん!?」

「いやねぇ、気持ち悪い。
いつも見たいに薗子って
呼んでよ。『榊さん』
だなんて。水くさい。」


僕は、薗子の、あっけらかん
とした様子に微笑んだ。
< 105 / 134 >

この作品をシェア

pagetop