ふたりの薗子
僕は、静かに、痛念に....
「いや、本当さ。
君から、僕は見えない。
僕からも、君は見えない.....。」



「そんな....いや!
  そんなの.....。」
薗子は、悲痛な叫びに
近い声を上げた。






僕は、努めて優しい声で
「大丈夫。安心して。
この携帯じゃなくて、
"彼"の家にコールして。
たぶん、"彼"は、出る筈だ。」

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