ふたりの薗子

自分の物語の筈なのに、
まったく記憶が無いのが空しい。
しかし、その子も僕を知っていて、だから...。
鍵を渡したのは、去年の秋頃.....。


鍵?

僕は、ふと気づき、鞄の中の
革のキーケースを確認した。
もうひとつは、コインケースの中に、
リボンをつけて入れてある。

すると........。リボンをつけて
入れておいた筈の、部屋の鍵が無くなっていた。
確かに、ここに入れた筈なのに.....?
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