ふたりの薗子

僕は、古文の授業そっちのけで
メールを読んでいた。
いままで、蔑んでいたこんな事も、
自分がする側になると
その理由が分かった。
いつでもどこでも、
通じあえているような感覚。
掌の小箱から、感覚に
直接訴えてくるような錯覚。

その相手が、恋人だったら...
もう、授業どころではない。
そういう気分を、
垣間見たような感覚だった。
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